朝陽特許事務所は、東京都港区にある特許・商標等の特許事務所です。

お知らせ

ビジネスモデル特許とは何か(2)

前回から続きます。

1.ソフトウェア特許とは何か?
特許庁は、前回挙げた「ビジネス方法の特許」についての参考として、ソフトウェア特許について、以下のように述べています。

 特許制度は、あるアイデアを具体的に実現する専用装置等の発明を保護するものである。あるアイデアを具体的に実現しようとする際には、何らかの技術に依存することになる。このとき、様々な技術の利用が考えられ、この中にはITも含まれる。そして、ITにより、ハードウェアとして新たな専用装置等を創作しなくても、汎用コンピュータや既存のネットワークを活用し、ソフトウェアの工夫で、あるアイデアを実現するための専用装置等を創作したのと同等の結果を得られるようになっている。
 例えば、音楽の編集なども、今日では、スタジオ用の専用装置を新たに開発することなく、ソフトウエアの工夫により、汎用コンピュータ上で同等の結果を具体的に得られるようになっている。
 このため、ソフトウェアを内蔵した装置のみならず、ソフトウェア単体でも特許制度による保護の対象とすることとしてきた。

2.ソフトウェア特許の流れ(別掲図参照)
70年代半ば頃はすべて、いわゆる「電卓型特許」として、電卓、キーボート、論理回路等の装置(ハードウエア)の発明でした。

80年代始め、いわゆる「マイコン型特許」となり、例えば「マイコン制御の電気側」のように、電気釜部分のハードウエアと、制御用マイコンの「ハードウエア+ソフトウェア」の発明へと移行し始めます。

80年代半ばになると「ワープロ型特許」となり、ハードウエアの特許とは別に、ハード制御用に限らない、例えばかな漢字変換プログラムのような、ワープロのROMに格納されたプログラムの持つ機能に特徴が認められる発明が主流となってきます。

そして96~97年になると、「ソフトウエア媒体型特許」として、パソコンの普及によりハードウエア内の媒体に格納されたプログラムではなく、CD-ROM等の媒体(ハードウエア)に記録されたプログラムがパソコンを通じてそのプログラムを実現するようになり、発明にハードウエアの占める割合は減少の一途をたどります。

2000年以降は、「ネットワーク型特許」となり、ネットワーク上で流通するプログラムの特許として、ソフトウエア100%の発明が主流となりました。

続く