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お知らせ

2018-11-07
■ 外国における日本の商標
−無印良品判決報道について−

 「無印良品」が中国において商標権訴訟に敗訴した、という報道が波紋を呼んでいます。

1.「良品計画」からの公式発表について
 11月2日に、テレビやネットで「無印良品」商標が中国で使えなくなる、というニュースが流れました。
 しかし、その後詳しい報道が流れないうちに、株式会社良品計画のホームページにおいて、正式な発表がありました。
 それによれば、同社は現在、中国で「無印良品」商標の国際分類の1~45類のほぼ全てを登録しており、今回報道された、中国における24類(ベッドカバーやタオル等)の商品カテゴリについては、同社が出願するよりも先に、別の会社が24類のうち多くの部分(ベッドカバーやタオル等)を対象として「無印良品」を出願登録していて、24類について、同社が「無印良品」商標を登録しているのは、カーテン等の一部の商品カテゴリのみとのことです。
 同社は、2001年に、この別会社(のちにさらに別の会社に商標権が譲渡されています)による上記24類「無印良品」の商標権について異議申立てを行い、以降、長年、24類を中国において当社に取り戻すために訴訟で争ってきて、現在も、この24類については訴訟が進行しているとのことでもあります。
 今回の報道にあった裁判については、同社の子会社であるMUJI上海が、上記別会社が権利を有する24類に該当する商品の一部に「無印良品」を誤って使用していたことを理由に、同社及びMUJI上海が中国において損害賠償等を求められたもので、昨年12月に、別会社側の主張を一部認容する第一審判決がありましたが、すぐに控訴し、当該判決はまだ確定しておらず、本件の判決はまだ効力を発しておらず、また、同社グループが損害賠償を支払ったという内容も事実ではないとのことです。
 また、同社は中国において、上記のように1~45類までのほぼ全ての商品・サービスで「無印良品」商標を登録しており、仮にこの1件の民事裁判で敗訴が確定したとしても、ベッドカバーやタオル等、一部の商品カテゴリを除き、当社グループは「無印良品」を中国において引き続き正当に使用することができるとのことです。
 そうであれば、テレビ等で「また中国は…」的に報じられたのは、ちょっと勇み足の感があります。
2.先願主義と属地主義
 商標権などの登録により効果を生ずる産業材財産権は、国際的には先願主義が一般的です。
 どちらが先に使用を開始したか、よりも、どちらが先に出願したか、が優先されます。
 また、商標法等の法律は、各国で独自に制定され、締結等した国際条約に反しない限り、他国の法律の効果は当該国には及びません。
 そのため、日本の地名等が中国で商標登録され、不都合が生じていることは事実です。
 日本の商標法4条1項19号には、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもって使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」は商標登録を受けることができない、という規定がありますが、中国にはこれと同一の規定はないようです。
 ただし、中国の商標法13条には、「同一又は類似の商品について登録出願した商標が、中国で登録されていない他人の馳名商標(日本における著名商標)を複製、模倣又は翻訳したものであって、容易に混同を生じさせるときは、その登録をせず、かつその使用を禁止する」という規定はありますので、野放しというわけでもありません。
 いずれにせよ、「早い者勝ち」は産業財産権の原則ですから、中国で先に出願されていれば、その後の登録や使用が困難になるのは、日本国内と同じことです。
 登録されるかどうかは別として、日本においても国内外の他人の商標等を標榜する出願が行われていることも事実です。
3.直接出願とマドリッド協定の議定書(マドプロ)
 中国において登録がなければ、一部の中国業者は日本を含む外国の商標で、いずれ中国で人気が出そうなものを先取りして出願し、登録を受けることができるので、今後中国において事業展開を考えているのであれば、自社のブランド構築の際にはそのことも念頭に置いて商標戦略を立てる必要があります。
 中国において商標権を取得するには、二つの方法があります。
 原則的には、中国に直接出願する方法があります。
 もう一つはマドリッド協定の議定書(マドリッド・プロトコル、略してマドプロ)を利用することです。
(1) 中国に直接出願する場合の最大の特徴は、本国の出願・登録が不要なことです。
 中国向けのブランドを独自に立てる場合は、この方法しかありません。
 ただし、日本国内の信用を利用した戦略とは別の形になります。
 また、現在ではマドプロルートを利用するより、登録が早く済む傾向もあります。
(2) マドプロルートを利用する場合の最大の特徴は、本国の出願・登録があれば、本国内で手続きが完結することです。
 拒絶の通報がない限り、現地代理人は必要ありません。
 複数国での権利取得を希望する場合、非常に便利です。
 ただし、日本国内の出願が拒絶されたり、登録が取り消されたりしたときは、現地の登録も抹消されてしまうリスクがあります。
 これをセントラル・アタックといいます。
 また、現在ではマドプロルートを利用するより、登録が早く済む傾向もあります。
 自社の国際戦略に合わせて、対応をご検討ください。
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