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お知らせ

2016-12-15
■ 商品・パッケージのデザインの保護(3)−著作権法−

 商品やそのパッケージのデザインは、それ自体にも顧客誘引力があります。
 模倣された場合に、直接売上に影響があるだけでなく、そのデザインに伴って顧客に蓄積された信用の毀損も招きます。
 このデザインをどのように守っていくか、多角的な視点から考えてみましょう。

 前回の不正競争防止法に続き、今回は著作権法による保護について、述べたいと思います。

1.著作権とは
 今回も、登録に基づく意匠権以外でデザインの模倣に対抗する権利について説明します。
 著作権は、著作物を対象とします。
 著作権の対象となる著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいいます。
 著作権は著作物の創作により発生し、特許権や意匠権のような登録は不要です。
 著作権の侵害の要件の第一は、既存の著作物に依拠して作出されたものであるかどうか(依拠性)、第二は、利用著作物と既存著作物における表現が類似しているかどうか(類似性)です。
 「依拠性」は、実際に既存の著作物に依拠したことが必要で、既存の著作物に接する機会がなく、従って、その存在、内容を知らなかった者は、これを知らなかったことにつき過失があると否とにかかわらず、既存の著作物に依拠した作品を再製するに由ないものであるから、既存の著作物と同一性のある作品を作成しても、これにより著作権侵害の責に任じなければならないものではない、と判示されています(「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件」最高裁判決)。
 「類似性」の判断基準としては、他人の許諾無くして利用をすることが許されるのは、他人の著作物における表現形式上の本質的な特徴をそれ自体として直接感得させないような態様においてこれを利用する場合に限られる、と判示されています(「パロディ事件」最高裁判決)。
 法律的には「依拠」しているかどうか、→「類似」か、の順で判断すべきですが、実際の審理では、類似の程度が高いほど、依拠の可能性が高いと判断されます。
 甲曲と乙曲の旋律の上記のような顕著な類似性、とりわけ、全128音中92音(約72%)で両曲は同じ高さの音が使われているという他に類例を見ない高い一致率、楽曲全体の3分の1以上に当たる22音にわたって、ほとんど同一の旋律が続く部分が存在すること、乙曲は反復二部形式を採用しているものの、その前半部分と後半部分に見られる基本的な旋律の構成は、甲曲の起承転結の構成と酷似していること、(中略)以上のような顕著な類似性が、偶然の一致によって生じたものと考えることは著しく不自然かつ不合理といわざるを得ない。そうすると、このような両者の旋律の類似性は、甲曲に後れる乙曲の依拠性を強く推認させるものといわざるを得ない、と判断されています (「記念樹事件」東京高裁判決)。
2.応用美術の著作物性
 応用美術品は、実用に供され、あるいは産業上の利用を目的とする表現物をいいます。
 例えば、椅子等の家具は、応用美術の範疇に属すると整理されてきました。
 応用美術とは、純粋美術の対立概念であるとされています。
 具体的には、主として次のような種々の内容を含むものとされています。
 @ それ自体が実用品であるもの(美術工芸品、装身具等)
 A 実用品と結合されたもの(家具に施された彫刻等)
 B 量産される実用品のひな型として用いられることを目的とするもの(文鎮のひな型)
 C 実用品の模様として利用されることを目的とするもの(染織図案)
 応用美術品については、従前の裁判例で、意匠法とのバランス等を理由に、著作権成立には高いハードルを設けてきました。
 応用美術品は、多くの場合では、意匠法の下で、意匠登録出願をし、意匠登録を受け、意匠権により保護を受けるというのが筋であり、無方式で発生する著作権の保護を与えることは行き過ぎではないか、という問題意識がありました。
 しかし、知財高裁において、平成27年4月14日に以下のような判決が出ました
 表現物につき,実用に供されること又は産業上の利用を目的とすることをもって,直ちに著作物性を一律に否定することは,相当ではない。→「美術工芸品」に該当しない応用美術であっても,同条1項1号所定の著作物性の要件を充たすものについては,「美術の著作物」として,同法上保護されるものと解すべきである。
 脚部の本数に係る前記相違は,椅子の基本的構造に関わる大きな相違といえ,その余の点に係る共通点を凌駕するものというべきである。以上によれば,被控訴人製品は,控訴人製品の著作物性が認められる部分と類似しているとはいえない。
 類似性は否定されたとはいえ、著作物性は肯定されました。
 ただし、著作権には多くの支分権があり、今後の運用については、様々に検討する必要がありそうです。
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