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お知らせ

2014-06-13
■ 著作権の登録−登録の種類とその効果−

1.登録の種類
 プログラムの著作物を除く著作物全般については、文化庁長官官房著作権課、プログラムの著作物については、一般財団法人ソフトウェア情報センターが受け付けています。
 本稿では、プログラムの著作物を除く著作物全般について述べます。
(1) 実名の登録
 無名又は変名で公表された著作物の著作者はその実名(本名)の登録を受けることができます。
 無名又は変名で公表した著作物の著作者及び著作者が遺言で指定する者が、申請することができます。
(2) 第一発行年月日等の登録
 著作権者又は無名若しくは変名で公表された著作物の発行者は、当該著作物が最初に発行され又は公表された年月日の登録を受けることができます。
 著作権者及び無名又は変名で公表した著作物の発行者が、申請することができます。
(3) 著作権・著作隣接権の移転等の登録
 著作権若しくは著作隣接権の譲渡等、又は著作権若しくは著作隣接権を目的とする質権の設定等があった場合、登録権利者又は登録義務者は著作権又は著作隣接権の登録を受けることができます。
 登録権利者及び登録義務者が、申請することができます。原則として共同申請しなければなりませんが,登録権利者が単独で申請することもできます。
 登録権利者とは、著作権の譲受人等で、登録義務者とは、譲渡人等です。
 単独申請には、登録義務者による単独申請承諾書が必要となります。
(4) 出版権の設定等の登録
 出版権設定移転等、又は出版権を目的とする質権の設定等があった場合、登録権利者及び登録義務者は出版権の登録を受けることができます。
 出版権を設定された者は、著作物を文書又は図画として出版することができます。ただし、設定から6月以内に出版しなければならず、適切に重版しなければなりません。
 登録権利者及び登録義務者が、申請することができます。原則として共同申請しなければなりませんが,登録権利者が単独で申請することもできます。
 登録権利者とは、出版権を設定する著作権者等で、登録義務者とは、設定された出版権者等です。
 単独申請には、登録義務者による単独申請承諾書が必要となります。
2.登録の効果
 著作権の登録は、特許権や商標権とは異なり、効力発生要件ではありません。
 また、登録されたものが、著作物性を有することを保証するものでもありません。
(1) 実名の登録
 反証がない限り、登録を受けた者が、当該著作物の著作者と推定されます。その結果、著作権の保護期間が、公表後50年間から、実名で公表された著作物と同じように著作者の死後50年間となります。
(2) 第一発行年月日等の登録
 反証がない限り、登録されている日に当該著作物が第一発行又は第一公表されたものと推定されます。
(3) 著作権・著作隣接権の移転等の登録
 権利の変動に関して、登録することにより第三者対抗することができます。
 第三者に対抗することができる、というのは、二重譲渡等があった場合に、登録された側が正当な権利者であることを主張することができる、ということです。
(4) 出版権の設定等の登録
 権利の変動に関して、登録することにより第三者対抗することができます。
3.確定日付
 確定日付は、公証人が私文書に確定日付印を押捺すると、当該文書がその日付当日に存在したことを証明することができるという制度です。
 著作権の登録が、登録対象の著作物性を保証するものでないのと同様、確定日付は、当該文書の成立や内容の真実性について証明するものではありません。
 債権譲渡の対抗要件に必要なものとしてよく知られて来ましたが、近年は、知的財産権あるいはノウハウを守るための証拠保全方法として再認識されています。
 確定日付を取得するためには、以下の4要件が求められます。
(1) 私文書であること
 公文書の場合は、その作成日が確定日付となるので、公証役場で証明する必要はありません。
(2) 文書作成者の署名もしくは記名押印がなされていること
 押印は実印・認印だけでなく拇印でも認められます。
(3) 形式上完成している文書であること
 後日記入を予定している未完成な文書には、確定日付を付与することはできません。
 後日記入された部分については証明にならないからです。
(4) 私文書の記載内容が違法であったり,無効な事項を記載したものではないこと
4.著作権の侵害
 著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいいます(最判昭和53年9月7日「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」事件)。
 特許権と異なり、後発の創作物が創作された日に、先行する創作物が存在していたことだけでなく、先行する創作物に依拠して(模倣して)創作されたことが必要となります。
 上記判例でも、「既存の著作物と同一性のある作品が作成されても、それが既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは、その複製をしたことにはあたらず、著作権侵害の問題を生ずる余地はないところ、既存の著作物に接する機会がなく、従って、その存在内容を知らなかった者は、これを知らなかったことにつき過失があると否とにかかわらず、既存の著作物に依拠した作品を再製するに由ない」とされており、侵害を主張する側は、自己の著作物が後発作品の創作者に、その創作時に知られていたことを立証する必要があります。
 なお、知っていたか知らなかったかは、本人の心の中にあることで、外的証拠で直接立証することは困難です。
 そこで通常は、後発作品が先行作品にどれだけ似ているか、ということが判断基準になります。
 「記念樹事件」では、「どこまでも行こう」と「記念樹」の「両曲には『メロディーのはじめと終わりの何音かが同じ』『メロディーの音の72パーセントが同じ高さの音』といった『表現上の本質的な特徴の同一性』があり、この顕著な類似性が偶然の一致によって生じたものと考えることは不自然・不合理である」としただけでなく、「どこまでも行こう」がブリヂストンタイヤのCMソングであり、「記念樹」作曲者の服部克久がブリジストンの社歌の作曲者であったことから、「どこまでも行こう」を知らないはずがない、と判断されました。
5.著作権法の保護対象
 著作権法は、著作物等に関し著作者の権利等を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与することを目的とするもので、著作物は、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定められています。
 そこで、発明やアイディアの内容・解説を文書や図面などに表現したものであれば、それらは言語の著作物や図形の著作物となり、著作権法上の保護を受けます。 
 しかし、それは発明やアイディアそのものを保護するものではありませんので、発明やアイディアそのものの保護を望むならば、特許や実用新案の出願など、適切な方法を選択しなければなりません。
 プログラムの著作物は、ソースコードが保護されるのであり、アルゴリズムを保護したいと考えた場合は、特許出願をしなければなりません。
 ちなみに、ソースコードに無害なバグを仕込んでおくことにより、コピーであることの証拠にするという手法がよく用いられます。
6.著作権の発生
 著作物を創作した時点で発生します。
 権利を得るための手続は、一切必要ありません。
 文化庁への登録に、プログラムの著作物を除いて、「創作年月日の登録」がないのは、著作権の移転などの変動がない限り、著作者に著作権が当然に発生しているからです。
 財産権として、譲渡等は可能なので、第三者対抗要件として、移転等の登録制度はありますが、登録は効力発生要件ではありません。
 各種登録や、確定日付は、存在等の立証方法に過ぎません。
 もちろん争いが起こった場合に、公的機関により存在を証明してもらうことができる、ということは有力です。
 しかし、証明されるのは「存在」にとどまることは、よく理解しておいてください。
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