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お知らせ

2013-06-21
■ 商号と商標 −自分の屋号や商品名などが使えなくなることがあります。

1.商標って何でしょう。
 商標を英語でトレードマークといいます。
 ただのマークではなく、営業用に使うからトレードマークなのです。
 それを特許庁に商標登録出願し、審査を経て登録査定を得てから、登録料を納付して登録すると、登録商標(トレードマーク・レジスタード)となります。
 例えば、屋号や商品名などが商標です。
 営業用に使っていれば、登録を受けなくても商標です。
 登録を受けるためには、その商標自体に、自分の商品等であることが他人の商品等と区別できる(識別力を有する)ことが必要です。
 また、出願した商標が、自分の出願前に他人の出願した登録商標に類似していたり、登録がなくとも有名な商標に類似していたりして、対象となる商品等が類似していると、登録を受けることができません。
 ところで世の中では、自分の商品等の表示について、必ずしも商標登録を行っているわけではありません。
 屋号に自分の名前、会社の商号そのものを使っている場合には、類似の商品等について私用する類似の登録商標があっても、原則としてその商標権を行使されることはありません。
 例えば、鈴木さんという人が、株式会社鈴木自動車という会社を設立して自動車修理業を営み、店舗の看板に会社名を出したり、名刺に使用したりする場合は、原則として問題はありません。
 けれど、「株式会社」を抜いて「鈴木自動車」として使用したり、「SUZUKI」という態様で使用したりすると、そうはいきません。
 自動車やバイクで有名な「スズキ株式会社」の商標権を侵害することになるからです。
2.使い続けていれば大丈夫でしょうか。
 前述のように、出願した商標が、登録がなくとも有名な商標に類似していて、対象となる商品等が類似していると、登録を受けることができません。
 ならば、登録しなくても自分でずっと使っていれば、後から自分の商標と類似した物が登録されることはないから安心ではないか、と思う方もいらっしゃると思います。
 しかし、そうではありません。
 他人が出願した商標が、自分が使っている商標の存在を理由として登録を拒絶されるためには、自分が使っている商標が「需要者の間に広く認識されている」ことが必要です。
 この「広く認識される」は必ずしも全国レベルの周知性を獲得している必要はありませんが、少なくともある一地方(隣接数県レベル)では広く認識されていなければなりません。
 「商店街では誰でも知っている」くらいではだめなのです。
 自分の使っている未登録商標と類似の商標が同業者に後から登録された場合、どうなるでしょうか。
 自分の商標が、その他人の商標の登録を阻害することはできなくても、何らかの権利があるのではないか、と思われる方もいらっしゃると思います。
 商標法では、「先使用権」という権利が認められています。
 簡単にいうと、他人の商標の出願前に、自分の商標が「需要者の間に広く認識されて」いれば、後から他人の類似商標が登録されたとしても、自分が使用し続けることができます。
 しかし、ここにも「広く認識」が出てきます。
 この場合も、全国レベルの周知性を獲得している必要はありませんが、少なくとも隣接数県レベルの周知性は必要です。
 つまり、そのような他人の商標が登録された場合は、先使用権を認めさせるのはかなり困難だということです。
 その場合、自分が長年使ってきた商標であっても、他人の商標権の侵害となり、使用の中止や損害の賠償を請求されることがあります。
3.登録を受けるのは難しいのでしょうか。
 ところで、登録を受けるためには、出願時に周知性を獲得している必要はあるのでしょうか。
 出願段階では、必要ありません。
 登録を受けるために必要なのは、原則として、識別力を有することと、先行類似商標がないことの2点です。
 「識別力を有するか」というのは、その商標を使用する商品等との関係で、他人の商品等と区別できるかどうか、ということです。
 商品が花の「ライラック」である場合、「ライラック」という商標を出願しても、他人の売っている「ライラック」と差別化することはできないので、登録を受けることはできません。
 しかし、商品が自動車であれば、「ライラック」かそれに似た自動車等が他になければ、差別化が可能ですから、登録を受けることができます。
 先行類似商標がないかどうかは、特許電子図書館やその他の検索をかけて、探す事ができます。
 ただし、識別力の有無や、先行商標の検索、そして類似か非類似かの判断は、専門家に任せるのが無難です。
4.商号では保護されないのでしょうか。
 起業する際に、個人商店であろうが、法人であろうが、必ず「商号」は使用することになります。
 法人で起業する際には、会社の登記を行いますが、その際の会社名が「商号」となります。
 新会社法の施行に伴い、「他人が登記した商号を同一市区町村内において同一の営業のために登記することができない」という規制は廃止されました。
 他人の登録を排除する効力としては、登記した商号と同一であり、かつ、その営業所の所在場所が同一である場合という、狭い範囲にしか及びません。
 他人の使用を排除する効力としては、不正の目的をもって、他の商人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した場合に、差止請求ができます。
 つまり、商号の持つ他人の使用の排除効力は、事前的(登記)によるものは、他人に「不正の目的」があることを立証することが必要です。
 また、他人の商号として周知なものと同一又は類似の商号を使用等して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為は、不正競争として差止の対象となります。
 不正競争防止法の場合は、あくまで事後的な措置となり、基本的には裁判所の判断を仰ぐことになります。まず自己の商号の「周知性」の立証、そして「混同」の立証が必要となります。
 商号による「屋号」等の保護は、きわめて限定的であるといわざるをえません。
5.商標登録による保護はどのようなものでしょうか。
 登録商標であれば、出願し審査を受けて設定登録された場合は、その段階で権利が保証されます。
 他人の登録を排除する効力としては、類似の商標であって、類似の商品等に使用をするものは、登録を受けることができません。
 他人の使用を排除する効力としては、類似の商標を、指定商品等と類似の商品等に使用をすると侵害となり、差止や損害賠償請求の対象となります。
 つまり、事前的(登録)手続きだけで、「不正の目的」や「周知性」、「混同」を立証する必要もなく、商標と指定商品・役務の類似範囲まで差止することができるわけです。
 そして、効力範囲は日本全国に及びます。
 前項で述べたとおり、従来は、自己の商号と類似の商号が同一市区町村内において同一の営業のために登記されてしまうことはありませんでした。
 しかし、改正後は自己の登記した商号と同一であり、かつ、その営業所の所在場所が同一である場合以外は、たとえ隣のビルであっても登記されてしまいます。
 また、それに伴い後から商号登記した他人が、先に商標登録出願をした場合、自己の商標としては未登録の商号が、隣接県で周知性を獲得しているレベルでなければ、他人の商標が登録されてしまい、場合によっては使い続けてきた商号を使用できなくなる可能性すらあります。
 商標の場合、先使用権は、他人の登録商標の出願前に隣接県レベルの周知性を獲得していなければ認められません。
 この立証は実際にはかなり困難であり、その手間と費用は商標登録にかかる手間と費用の何倍にもなるのが普通です。
 会社名を商標登録していない場合、この機会に見直しをされてはいかがでしょうか。
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